山奥の小さな集落・彼ヶ津村で始まる、どこか懐かしい田舎暮らし。畑を耕し、家畜を育て、村人たちと交流を深めながら、庭付きの家を少しずつ整えていく——そんな穏やかな日常を描く生活シミュレーションゲームが『ほの暮しの庭』だ。夜廻シリーズのスタッフが手がけたことで、発表当初から「本当にほのぼのしているのか?」と話題を呼んだ本作は、2026年7月30日にNintendo Switch 2/Switch/PlayStation 5/Steam/Windows向けに発売され、累計販売本数も順調に伸びている。
このゲームの魅力のひとつが、村を取り巻く自然の中で楽しめる釣りだ。川や滝、山の渓流で竿を出すと、さまざまな魚が釣れ、出荷してお金にしたり、料理に使ったり、生け簀で育てたりできる。その中でも、序盤から比較的手軽に出会えるのが「アブラハヤ」である。
アブラハヤは売値が30円と決して高くはないが、春・夏・秋に山や山奥の釣り場で釣れ、昼を中心に狙える身近な魚だ。図鑑埋めや金策の足がかりとして、序盤プレイヤーにとって欠かせない存在になる。本記事では、ゲーム内でのアブラハヤの詳細情報はもちろん、実在する淡水魚としての生態や特徴にも触れながら、釣り方のコツ、活用法、関連する村の暮らしまでを丁寧に解説していく。彼ヶ津村でのスローライフをより深く楽しむための一助になれば幸いだ。

彼ヶ津村での暮らしと釣りの位置づけ
『ほの暮しの庭』の舞台は、深い山に囲まれた彼ヶ津村。主人公は山で保護され、村のために働くことを条件にこの地で暮らし始める。与えられるのは荒れ果てた庭付きの家。そこから農作業、畜産、加工、採掘、狩り、そして釣りへと活動の幅が広がっていく。
釣りは、元手がほとんどかからず、すぐに始められる金策手段として特に序盤で重宝される。農作物が育つまでのつなぎとして、またはバッグ拡張や道具強化の資金を稼ぐために、毎日のように釣り場を回るプレイヤーは少なくない。釣り場は複数あり、それぞれに出現する魚が異なる。辻、村、滝、石切場、山、山奥——これらを季節や時間帯に合わせて使い分けることで、効率よく図鑑を埋め、収入を得られる。
アブラハヤは、その中で「山」「山奥」に出現する魚のひとつだ。売値は30円と控えめだが、出現条件が比較的ゆるやかで、春から秋にかけて安定して狙える。白いレア魚(売値2500円)や高額魚を狙う合間に、地味ながら確実に手元に入ってくる存在として、序盤の資金繰りを支えてくれる。
また、ゲームには「あんしん暮しモード」があり、ホラー要素を抑えて純粋な生活シミュレーションとして遊べる。どのモードでも釣りシステム自体は変わらないため、怖がりな人でも安心してアブラハヤを追いかけられる。
アブラハヤとはどんな魚か——ゲーム内と現実の両面から
ゲーム内での基本データ
攻略情報を総合すると、アブラハヤは以下のような特徴を持つ。
- 売値:30円
- 釣れる季節:春・夏・秋
- 主な釣り場:山、山奥
- 時間帯の傾向:昼を中心に、朝や夜も狙えるケースがあるとの報告あり
- 図鑑番号:0569付近(全体の魚一覧の中で序盤寄り)
他の魚と比べると、ヤマメ(150円)、アユ(180円)、ウナギ(315円)などと比べて明らかに安価だ。しかし、出現頻度や条件のゆるさから、図鑑埋めや「とりあえず何か釣る」目的で重宝される。白いレア魚が釣れた際の対比としても、普通のアブラハヤの存在感は大きい。
生け簀で養殖できる可能性もあり、加工や料理素材としても使えるケースがある。村人への贈り物や特定のクエストで必要になることもあるため、ただ売るだけでなく、ある程度キープしておくと後々便利だ。
現実のアブラハヤ——油のようにぬるぬるした日本の淡水魚
ゲームのアブラハヤは、実在する魚をモデルにしている。学名はRhynchocypris lagowskii steindachneri(リンコキプリス・ラゴウスキイ・スタインダクネリ)。コイ目ウグイ科(またはコイ科ウグイ亜科)に属する日本固有亜種だ。
体長は通常10〜15cm程度で、最大でも20cm前後。体表のぬめりが強く、「油を塗ったような」感触から「アブラハヤ(油鮠)」の名がついたとされる。体色は黄褐色や灰褐色で、側面に黒い縦帯や細かな黒斑が入り、全体的に地味な印象を受ける。
分布は本州の日本海側(青森〜福井付近)から太平洋側(青森〜岡山付近)にかけて。渓流から中流域の比較的冷たい水域を好み、雑食性で水生昆虫や藻類、落下昆虫などを食べる。産卵期は春から初夏で、砂泥底や礫底に集団で産卵する習性がある。
地方名も多く、ハヤ、ミノー、ヤマガオ、ドロクソなどと呼ばれ、釣り人の間では「外道」として扱われることも少なくない。ヤマメやアマゴを狙う渓流釣りの際に、頻繁にかかってくるためだ。味は苦みがあり、特に好まれないが、天ぷらや空揚げにすると独特の風味が楽しめるという声もある。
ゲーム内のアブラハヤが「山や山奥」に出現するのは、現実の生息環境(渓流〜上中流域)をよく反映していると言える。昼に狙いやすいという点も、日中に活動する魚の生態と重なる部分があるだろう。こうしたリアリティが、彼ヶ津村の自然描写をより豊かにしている。
アブラハヤを釣るための具体的な方法とコツ
釣り場の解放とアクセス
序盤は村近くの釣り場(辻、村、滝)からスタートすることが多い。山の釣り場は、村民の手伝いイベントなどを経て解放されるケースがある。山奥はさらに奥まった場所で、狩猟免許の取得や探索の進行が必要な場合もある。
アブラハヤを狙うなら、まずは山の釣り場を優先的に訪れるのがよい。解放後は毎日のように通い、季節が合うタイミングで集中して狙うと効率が上がる。
釣りの基本操作と成功率を上げるポイント
釣りは水辺で「釣り」を選択すると始まる。魚がかかるとミニゲームが発生し、タイミングよく操作して引き上げる。失敗すると糸が切れてしまうため、焦らず確実に対応したい。
コツとしては以下が挙げられる。
- 時間帯を意識する:昼をメインに、朝や夜も試してみる。報告によって微妙に異なる場合があるので、自分のプレイスタイルに合わせて調整する。
- 季節を逃さない:春・夏・秋がメイン。冬は他の魚(カジカなど)にシフトするのが効率的。
- 複数の釣り場を回る:山と山奥を交互に訪れると、出現のムラを抑えられる。
- 道具の強化:序盤は基本の竿で十分だが、中盤以降はアップグレードで成功率や大型魚の確率が上がる可能性がある。
- スタミナ管理:長時間釣り続けるとスタミナが減るため、野草や簡単な食事で回復しながら続ける。
白いレア魚が混ざる可能性があるため、アブラハヤを狙いつつも「もしかしたら」と期待しながら竿を出すのが楽しい。
効率的な金策としての位置づけ
アブラハヤ単体では大きな利益にはならないが、1日に何十匹も釣ればまとまった金額になる。序盤のバッグ拡張(大きなカバンの購入)や、初期の道具強化資金として十分役立つ。高額魚やレア魚を狙う合間の「つなぎ」としても優秀だ。
生け簀を解放した後は、アブラハヤを入れて育てるのもひとつの手。成功率は低いが、育てた魚を出荷したり、料理に使ったりできる。
アブラハヤの活用法——売るだけでなく、暮らしに生かす
出荷と収入
基本的には出荷して現金化するのがメイン。30円でも積み重ねれば、農作物の種や肥料、家具の材料費を賄える。序盤は「とにかく釣って売る」サイクルを回すのがおすすめだ。
料理と加工
魚は料理素材として使える。焼き魚や刺身、かまぼこなどのレシピで必要になる場合がある。村人の好みに合わせて作ると、好感度アップにつながる。スミレのように魚を好むキャラクターがいるため、贈り物としても有効だ。
図鑑埋めとコレクション
図鑑を埋める過程でアブラハヤは避けて通れない。全魚を揃えるには季節や場所を意識した計画的な釣りが必要で、アブラハヤはその「基礎」となる。
村人との交流への影響
彼ヶ津村の住人たちは、それぞれ好みや嫌いなものが明確だ。魚を贈ることで仲が深まり、お食事会やお泊まりイベントが発生することがある。アブラハヤ自体が特別に好まれなくても、魚全般の需要はあるので、手元にいくつか残しておくと便利。
彼ヶ津村の自然と釣りの魅力——なぜアブラハヤが象徴的なのか
『ほの暮しの庭』の自然描写は丁寧だ。四季折々の景色、川の流れ、山の静けさ。釣りはその自然に直接触れる行為であり、アブラハヤのような身近な魚を釣ることで「この村に本当に暮らしている」感覚が強まる。
現実のアブラハヤが渓流の「普通の魚」であるように、ゲーム内でも特別なレアリティはない。しかし、それこそが田舎暮らしの本質を表しているのかもしれない。派手な成果を追い求めるのではなく、日常の中で少しずつ積み重ねていく。庭を整え、作物を育て、魚を釣り、人と交流する——その繰り返しが、プレイヤーに穏やかな充足感を与える。
夜になると村の雰囲気が変わり、掟を破れば不穏な出来事が起こる可能性がある。しかし、昼の釣りは純粋に癒やしの時間だ。あんしん暮しモードを選んでも、アブラハヤを釣る楽しさは変わらない。
よくある質問(FAQ)
Q. アブラハヤは冬でも釣れますか? A. 基本的には春・夏・秋がメインです。冬は他の魚に切り替えましょう。
Q. 売値が安いのに釣る意味はありますか? A. 図鑑埋め、序盤の金策、料理素材、生け簀用として十分価値があります。積み重ねが大事です。
Q. 白いアブラハヤは存在しますか? A. 白いレア魚は特定の種類(ウナギやナマズなど)に限られる報告が多く、アブラハヤの白い個体は確認されていません。
Q. 釣り竿の強化は必要ですか? A. 序盤は不要ですが、中盤以降は成功率や釣れる魚の質が上がる可能性があるのでおすすめです。
Q. 生け簀でアブラハヤを育てられますか? A. 生け簀が解放されれば可能です。成功率は低めですが、試す価値はあります。
まとめ——アブラハヤとともに彼ヶ津村の日常を味わう
『ほの暮しの庭』におけるアブラハヤは、派手さはないが、村の自然と日常を象徴する魚だ。山や山奥の釣り場で、春から秋にかけて安定して狙えるその姿は、現実の渓流に生きる淡水魚の生態を反映しつつ、ゲームのスローライフを支えている。
売値は30円。しかし、それを「安い」と切り捨てるのではなく、「身近で確実」と捉えることで、遊びの幅が広がる。毎日の釣りを習慣にし、図鑑を埋め、村人に魚を贈り、庭を少しずつ整えていく。そんなささやかな積み重ねが、彼ヶ津村での暮らしを豊かなものにしてくれる。
夜の村に潜む不穏な気配も、昼の穏やかな時間があるからこそ際立つ。アブラハヤを釣りながら、あなたらしい「ほの暮し」を見つけてみてほしい。庭に立つ風、川の音、村人の笑顔——それらが少しずつあなたのものになっていくはずだ。
彼ヶ津村での新しい一日が、今日も静かに始まっている。